見出し画像

鼎隷書と3人のクリエイター vol.1【パンチさん編】

フォントワークスの書体デザイナー山村佳苗が手掛ける、新書体「鼎隷書(かなえれいしょ)」がリリースされました。

現代的な空気をまとった隷書体。歴史的な筆法に添いながらも、軽やかな平ペン風のエレメントで、リズミカルな形が楽しい書体です。フォントワークス初となるオリジナルの隷書体となります。
鼎隷書のコンセプトや見どころについてはこちらの記事をご覧ください!

3人のクリエイターが魅せる鼎隷書

みなさんの中には、隷書体はあまりなじみがなく、なんだか怖そう、どうやって使えばいいのだろう? と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、鼎隷書はそんな従来の枠に収まらない、新しい隷書体です。

今回はリリースを記念して、パンチさん、吉川和弥さん、清水艦期さん3人の名だたるクリエイターにご協力いただき、鼎隷書を使って、イメージビジュアルとモックアップのグラフィック作品をご制作いただきました。
これを見たら、こんなに自由に使っていいんだ! と隷書体のイメージがきっと変わります。

noteでは3回に渡り、作品をご紹介していきます。vol.1は、主に音楽シーンや書籍の装丁で活躍されているパンチさんです。

〈 プロフィール〉
パンチ Punch
グラフィックデザイナー。
主にMV制作、アーティストのアートワークなど音楽シーンで活動中。
Midnight Grand Orchestra/DUSTCELLなど
https://punchred.xyz/

【Shell】

【忘却の向こうでまた会えたら】

パンチさんが得意とされている、グラデーションを多用した、静的世界観に毒を垂らしたような作風と鼎隷書が持つ独特な雰囲気がとってもマッチした作品をご制作いただきました。

ここからは制作者のパンチさんに今回の作品や鼎隷書に関するインタビューをお届けします。

パンチさん スペシャルインタビュー

ー今回ご制作いただいた作品について教えてください
・shell
貝が全てを支配している世界を描きました。
貝類は最も多様な進化をしている生物だと思います。形もユニークです。それらがもし巨大に進化したらどうなってしまうのか、というイメージです。海の生物は全滅しそうです。

・忘却の向こうでまた会えたら
決別をテーマにしてます。
「記憶や経験」を外部のストレージに保存できるようになった世界。「忘れる」という機能が失われた人々が、衰退していく様子を描いた小説です。
鼎隷書の「忘」の字の処理が好みだったので、このタイトルにしました。

ー鼎隷書を最初に見てどんな印象を受けましたか?
特に漢字と欧文がすごくかっこいいなと思いました。
リズミカルでひと文字ひと文字が個性的なので、大きく配置した時に映えるなと感じました。

ー鼎隷書を今後活用してみたいシーンがあれば教えてください
物語的なシーンにマッチしそうなので、小説や漫画の装丁・CDのジャケットに使用したいです!言葉の力をより引き出せる書体だと感じました。

鼎隷書のデザイナー山村さんにもパンチさんの作品を見た感想を聞いてみました。

両作品とも神秘的な雰囲気で、隷書との組合せが面白いなと思いました。「今までの隷書のイメージとは違う隷書を」との気持ちで鼎隷書を制作していましたが、自分では思いつかない世界観で、不思議で素敵です。「忘」は、特に心の部分をこだわっていて自分でも思い入れがあったので、ピックアップしていただいて嬉しいです!

いかがでしたでしょうか。
「忘」の形やパンチさんがかっこいいと推してくれた欧文にもご注目ください。


vol.2では、吉川和弥さんに鼎隷書を使ったモーショングラフィックスを作っていただきました。こちらもぜひご覧ください。
Vol.2【吉川和弥さん編】

鼎隷書と3人のクリエイターの記事はこちら

vol.1【パンチさん編】
Vol.2【吉川和弥さん編】
vol.3 【清水艦期さん編】


新書体 鼎隷書(かなえれいしょ)が使えるサービス

新書体 鼎隷書Std Bは、フォントサブスクリプションサービス、フォントワークスLETSでお使いいただけます。


「もっとフォントの記事を読みたい」と思ったら、ぜひ記事の♡とフォローをお願いします!