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【特別編】フォントワークスデザイナーがRINGO TYPE BOLDの可能性を探る!
昨年12月、カスタムフォント「RINGO TYPE BOLD」が登場しました。
株式会社BAKE(以下BAKE)が運営する、焼きたてカスタードアップルパイ専門店 RINGOのロゴに基づき制作された、ブランド専用の欧文書体です。
フォントワークス書体デザイナー中村勇弥が企画・制作しました。
これまで3本の記事を通し、さまざまな角度からRINGOやRINGO TYPE BOLDについてご紹介してきました。
最後は、デザインが好き、文字が好きなあなたにお届けしたい、RINGO TYPE BOLDの可能性を探る出色のグラフィックです。
フォントワークスに所属する4名のデザイナーが、それぞれ自由な発想でRINGO TYPE BOLDの魅力を表現しました。
デザイナーのコメントとともに掲載します。ギャラリーに立ち寄ったような気持ちで、ぜひゆったりとお楽しみください。
文/中村勇弥
[これまでのRINGO関連記事]
RINGO TYPE BOLD GALLERY
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“New Year”
百目鬼多恵
UI/UXデザイナー
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フォントワークス唯一の「書体デザイナーじゃないデザイナー」百目鬼多恵さんが、年賀状をイメージしたグラフィックをデザイン。
「作っていてとても楽しかったです! どんなトーンにも合わせられるのに、ちゃんとRINGOらしさを感じられるところが素晴らしいと思いました。
BAKEさんと中村さんの熱意の結晶がどのようなクリエイティブで活用されるのか、とても楽しみです!」
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百目鬼多恵
武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。出版系制作会社でデザインアシスタント、IT事業会社でUI/UXデザイナーとして勤務したのち、2022年フォントワークス開発部に入社。フォントワークス唯一の「書体デザイナーじゃないデザイナー」として、書体の魅力を伝える企画・デザインやユーザーリサーチの導入に取り組んでいる。
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“Special Animation”
永尾仁
書体デザイナー
中村とともに書体デザイナーとして活躍する永尾仁さんが、RINGO TYPE BOLDをアニメーションで表現。
「見ているだけで楽しいRINGO TYPE BOLD。実際に使ってみると、よりハッピーでとても愉快な気持ちになりました。コロコロとしたかわらしい形をしていますが、同時に文字としてのインパクトも秘めていて、かわいさとかっこよさを兼ね備えたフォントだと思います。
文字たちが元気に踊っているようなイメージで、モーショングラフィックを制作しました」
永尾 仁
福岡デザイン専門学校卒業。2022年フォントワークス株式会社入社。
現在築地活版製造所の書体を復刻するプロジェクトにて、「筑地二号明朝」の制作に携わっている。
趣味は本屋さんで本を買ったり、美術館やギャラリーへ行くこと。
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“Sleeping in pie”
リスト クヤンパア Risto Kujanpää
書体デザイナー
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RINGO TYPE BOLD制作にたくさんのアドバイスをくれたリストさんは、パイ生地の下で眠るリンゴを表現。
「勇弥さんには以前、筑地二号明朝の漢字デザインを習っていましたが、RINGOのプロジェクトが始まると、今度は私が欧文書体のデザインやスペーシング、カーニングについてフィードバックさせてもらいました。
2010年代にスイスで仕事をした経験から、スター書体デザイナーが個人で名を馳せていく時代は終わりつつあると考えています。これからは、協力し合い、知識を共有し、互いに学び合って、関係者全員の功績をたたえていくことが、たくさんの文字セットや多言語書体など、より大きなプロジェクトを実現する鍵になると思います。そして、経験豊富なデザイナーの貴重な知識を引き続き評価する必要があると思います。
RINGOのみなさん、そして勇弥さん、リリースおめでとうございます!」
リスト クヤンパア Risto Kujanpää
北欧フィンランド出身。フィンランドのアアルト大学(Aalto University)で理学修士号を取得後、オランダ・ハーグの王立芸術アカデミー(Royal Academy of Art, The Hague)にてグラフィックデザインの学士号および書体デザイン(Type and Media)の修士号を取得。スイスのタイプデザインスタジオDinamoとポルトガルのフォント制作会社R-Typographyで働いた後、2023年フォントワークス株式会社入社。
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“RINGO boy & girl”
ヨアヒム・ミュラー・ランセイ Joachim Müller-Lancé
書体デザインディレクター
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ヨアヒムさんも書体制作に多くのアドバイスと示唆をくれました。RINGOらしい幾何学図形で、RINGOのアップルパイを食べたい少年少女を表現してくれました。
「RINGO書体はここ数十年で目にしてきた書体デザインプロジェクトのなかで、最も珍しいものの1つです。
RINGOのロゴには矛盾したルールが混在していて、アルファベットへ展開するとき、それぞれの文字に複数のパターンが考えられました。それらを一貫性ある書体にまとめるため、中村さんは奮闘していました。
その結果、RINGOロゴがもつユニークで予測不能な特徴をうまく保ち、強力でありながらエンターテイメント性もあるRINGOのイメージにぴったりの書体になったと思います。
ところで、東京のRINGO池袋店でRINGO TYPE BOLDが使用されているのを見かけました。文字の前で、お客さんたちが幸せそうに列をなしていました」
ヨアヒム・ミュラー・ランセイ Joachim Müller-Lancé
ドイツ出身。
スイスのバーゼル・スクール・オブ・デザインでグラフィックデザインを学び、日本を含める各国のタイポグラフィコンペティションで優勝するなど高い評価を受ける。
世界数ヶ国の学校で教鞭をとり、出版物にグラフィックデザイン・タイポグラフィに関する記事の寄稿や作品を掲載。そのほかに、海外複数社の情報デザインとVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)を担当。
2018年にはソウルのフォントメーカーYOON Designの欧文のデザインディレクターとして活躍。
2020年から、フォントワークス社に加わり、現職の欧文書体の書体ディレクターに就任。
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いかがでしたでしょうか?
RINGO TYPE BOLDの表現力を引き出す力作の数々でした。
みなさん、ありがとうございました。
ヨアヒムさんとリストさんには、欧文書体デザイナーの視点からたくさん助けていただきました。
この場を借りて、感謝をお伝えしたいです。
ありがとうございました!
RINGO TYPE BOLDが焼きたてカスタードアップルパイ専門店「RINGO」で活躍しているところは、今後も続々店頭やSNSなどで見られるとのこと。
すでに2月15日から「RINGO SPRING」のプロモーションが始まっていて、春らしく素敵にご使用いただいています!
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ぜひ引き続きのご注目を!
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