みんなが使ってるのはどのフォント? フォントワークスLETS 人気書体ランキングTOP10
フォントワークスでは、年間定額制でフォントが利用できるサブスクリプションサービス「フォントワークス LETS」を提供しています。LETS加入中は、いつでも使いたいフォントをアクティベートして利用可能。筑紫書体シリーズをはじめ、すべてのフォントワークス書体からお気に入りを選んで、思う存分制作にお役立ていただけます。
しかし選択肢が多すぎると、いまひとつ決め手が見つからない、なんてこともあるかもしれません。
そこで今回は、フォントのアクティベート数をもとに、LETSユーザーの人気書体を徹底分析! 見事TOP10にランクインした書体を、ランキング形式でご紹介します。(※2023年11月末時点のアクティベート数をもとに算出)
革新的な個性派から優雅なスタンダードまで
LETS人気書体TOP1〜5
筑紫書体シリーズの革命児、明朝体を超えた明朝体
1位 筑紫Q明朝L
いきなり意外な結果となりました。トップに輝いたのは、筑紫書体シリーズの数ある明朝体の中でも革命児と言っても過言ではない、筑紫Q明朝。タイトに絞り上げたふところに、ドレスの裾を広げたような伸びやかなハライ。真四角のボディには収まらないダイナミックな出で立ちは、筆書体の風格にも肉薄しています。古風な風情を持つ書体かと思いきや、実際に短い言葉を組んでみると、それだけでロゴになってしまうようなグラフィック的な魅力があるのも面白いところ。決して器用なタイプだとは言いません。「ここぞ」という場面で使いこなしてほしい書体です。
金属活字の面影を残す、ユニークで躍動する仮名デザイン
2位 筑紫Bオールド明朝
1位に続き、こちらもまさかのランクイン。筑紫書体シリーズのオールドスタイル明朝体、筑紫オールド明朝にはA・B・Cの3タイプの仮名が用意されています。こちらの〈B〉タイプは、初期明朝体の金属活字に見られるユニークで躍動感のある仮名をアレンジした、古風かつ斬新な一作。「ジョジョ立ち」ばりにポーズを決めた、今にも動き出しそうな生き生きとした仮名の面白さが存分に味わえる書体です。
長文を美しく組める、オーソドックスで新鮮なゴシック体
3位 筑紫ゴシック
現代的でクリーンな硬質さと、クラシックな味わいや柔らかさを融合させた、オーソドックスかつ新鮮なゴシック体。かつて活字時代のゴシック体は、もっぱら見出し専門の書体でしたが、現代ではその役割が大きく変化してきました。手で書くときの自然な文字の流れを意識してデザインされた筑紫ゴシックは、長文を美しく、読みやすく組むのにも適しています。品位を求められるカタログやブランドサイトなどにもおすすめです。
DTP黎明期からのファンも多い、すっきり素直なゴシック体
4位 ロダン
このロダン、なんとフォントワークスが最初にリリースした書体です。DTP黎明期、高品質な日本語デジタルフォントが少なかった頃から現在まで、30年以上に渡って人気を得ているのは、文章を組んだときの素直な美しさからでしょうか。ふところが広めで、筑紫ゴシックよりも直線的ですが、穏やかでどこか愛嬌も感じるゴシック体。「ロダンひまわり」や「ロダンカトレア」など、異なるスタイルの仮名と組み合わせたフォントも人気です。
本文用明朝体の本質を追求した、筑紫書体の大きな一歩
5位 筑紫明朝
フォントワークスのフラッグシップとなった筑紫書体シリーズの大いなる第一歩、筑紫明朝。書体デザイナーの藤田重信が、活字や写植時代の明朝体を意識しながら、自らが思う本文用明朝体の本質と向き合って制作した書体です。背筋がスッと伸びるような緊張感を漂わせ、手で文字を書くときの流れやうねりを表現。デジタルでも活版時代のインク溜まりや滲みを感じられるデザインで、豊かな情感を伝える明朝体が完成しました。
映像で人気の書体や、かわいいデザイン書体も
LETS人気書体TOP6〜10
繊細かつ優美、文学の香り漂うオールドスタイルな明朝体
6位 筑紫Aオールド明朝
書店で見かける頻度はトップクラス。むしろ6位なのが不思議なほど、フォントワークス屈指の文芸人気を誇る筑紫Aオールド明朝。ふところを絞って、ハネやハライを伸びやかに。オールドスタイルの素直な優美さは、装丁だけでなく小説の本文にも適しています。文学的な佇まいと読みやすさから、Webやミュージックビデオでも活躍するエモーショナルな明朝体です。
オンスクリーンでの読みやすさに定評、モダン調のゴシック体
7位 ニューロダン
2002年に生まれたニューロダンは、ロダンの文字面を大きく設計し直し、仮名や英数字を大幅に変更した、落ち着いたモダン調のゴシック体です。画面で読みやすいフォントが求められる時代に開発されたこともあり、ゲームやテレビのテロップで長年使われてきました。「読みやすさ」の追求は、のちのUDフォント開発へも引き継がれています。
デジタルフォント時代に、味わい深い丸ゴシック体を復権
8位 筑紫A丸ゴシック
筑紫書体シリーズで最初の丸ゴシック体。当時、デジタルフォントの標準的な丸ゴシック体は文字面の大きいモダンなスタイルが主流でしたが、筑紫A丸ゴシックはそれとは一線を画す、懐かしくも新しい書体です。ふところを絞ったデザインと、温かみのある丸みを帯びたラインが特徴。文章を組むと軽やかなリズムと味わい深さが感じられ、書籍の本文にもおすすめです。
エヴァで一躍有名になった、やわらかく力強い明朝体
9位 マティス
1990年代、フォントワークス創業期に生まれたマティス。未だに多くの人に知られ、愛されているのは、アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズのテロップとして活躍してきた歴史も大きいでしょう。キリッとしたシャープさに、力強くやわらかなカーブ。凛とした大胆な運筆びが美しく、たっぷりとした墨の量感や温かみを感じさせる明朝体です。
ユルくてかわいい脱力系、ほのぼの愛されデザイン書体
10位 ユールカ
フォントワークスは個性的で使いやすいデザイン書体にも自信アリ!!なのですが、使いどころや好みが分かれるためか10位でようやくのランクイン。2012年リリースのユールカは、遊び心を感じるユルかわ極太書体。ゲームやお菓子のパッケージ、近年は動画のテロップでも大活躍しています。マシュマロのように素朴な親しみやすさが人気の秘訣かも?
欧文を変えて新鮮な印象に
人気書体とYo Oneのコンビネーション
今回ご紹介した書体は、TOP10の人気書体だけあって、さまざまなシーンで活用していただいています。そんなフォントを、ちょっと違う装いに見せたいとき。他の欧文書体と組み合わせることで、より新鮮な印象を生み出すことができます。
そこで、同じくフォントワークスLETSで利用できる欧文スーパーファミリー Yo Oneと、ランキングTOP10の書体から、バランスよく魅力的に見える組み合わせをご提案。現代的で幅広いスタイルに対応できるYo Oneも、いまイチオシの書体です。ぜひフォントワークスLETSで活用してみてください。
書籍のおしらせ
このランキングにも数多く登場した「筑紫書体」シリーズを手がける書体デザイナー、藤田重信の書籍『筑紫書体と藤田重信』が刊行されました! 各書体のコンセプトや特徴、制作エピソードまでぎっしりまとめられています。特典として本書でしか入手できない[筑紫B明朝NK(全4種)]も付属。ぜひ書店でご覧ください。