懐かしくてモダン、そしてすべての要素が丸い「丸明朝体」―― 砧書体制作所
皆さんは、砧書体制作所というフォントメーカーをご存じでしょうか?
20年以上にわたり、広告やパッケージなどで使われ続けている「丸明朝体ファミリー」を生み出したフォントメーカーです。
2016年1月に、カタオカデザインワークスから社名変更し「砧書体制作所」となりました。創業は1995年です。
URL: https://www.moji-sekkei.jp/
文字に柔らかさと優しさをあたえる「丸明朝体」
2001年リリース以降、ポスターや広告、雑誌などの紙媒体から、TVCMや番組、WEBなどのデジタルコンテンツに至るまで、長く愛され使われ続けている書体ファミリーです。
明朝体ながらエレメントに丸を用いることで柔らかな印象を与え、筆の動きが強調された文字は躍動感を感じさせながら、見る人に温かみや懐かしさを与える唯一無二の書体です。
「丸明朝体」は、ゴシックに丸ゴシックがあるように、明朝体にも丸明朝体というカテゴリーがあることを実証しました。 とくに漢字には多くの丸が使われているので大きくして丸がどこにあるかを示してみました。
縦線、横線、点、トメ、ハネ、ハライなどどれも先端が丸く処理されています。直線を意識した漢字、筆の動きを強調したカナ、四角いスペースにこだわらない形。 でも文章になると読みやすい、不思議な可読性を持った書体です。
他の書体と比べてみると、全てのエレメントが丸で構成されているのがよく分かりますね。
また、ひらがなとカタカナは活版印刷時代の書体の骨格で作られているため、懐かしさも感じさせます。
日本タイポグラフィ年鑑グランプリ受賞「砧明朝体」
2018年3月にLight、2021年1月にRegularとBoldがリリースされた砧明朝体は、砧書体制作所ならではの新しい明朝体として高い評価を受け、日本タイポグラフィ年鑑2018で最高賞のグランプリを受賞した書体です。
砧明朝体のコンセプトは「優しさ」と「間」。エレメントはどれも曲線で、尖ったところや角ばったところがありません。ふところが広くゆったりとしており、大きくしたときに優しく、小さく組んだときにもつぶれにくく読みやすいため、見出しにも本文にも適しています。
フォントワークス LETS に45書体が追加
年間定額制フォントサービス「フォントワークス LETS」および「学生向けフォントワークス LETS」「FONTPLUS」にて、2024年5月より砧書体制作所の45書体の提供を開始しました。
もちろん先述した「丸明朝体」や「砧明朝体」も追加費用無くご利用いただけます。
【提供書体一覧】
・iroha gothic(12種)
・砧明朝体(3種)
・丸丸ゴシック(6種)
・丸明朝体(7種)
・芯(5種)
・芯・鉛筆(10種)
・山本庵 StdN(2種)
*本記事は「20年以上広告で使われ続ける『丸明オールド』。そして、新書体『砧明朝体』で新たなステージへ/砧書体制作所(旧 カタオカデザインワークス)」(note、2021年3月26日)を一部参考にしております。
砧書体制作所について
1995年設立。
ことばを伝える声には『声優』がいるのだから、ことばを伝える文字には『字優』がいてもいいよね。そんな発想から、多くのかなのバリエーションを展開し、フォントを制作しています。
漢字と仮名のある日本語ならではのおもしろさを、砧書体制作所のフォントを通じて実感してみてください。
ことばの豊かさは、きっとこころを元気にしてくれます。URL: https://www.moji-sekkei.jp/