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英語表記に気をつけよう[1]:その表示、英語でちゃんと伝わる?

クリエイティブのさまざまな分野で、グローバルな展開が広がってきています。英語や多言語に対応する際の書体も、いいかげんには済ませたくないもの。

そんな欧文・多言語フォントを必要とされる方におすすめしたいのが「Monotype LETS」です。Monotype LETSでは、130年の歴史を誇るMonotype社の、およそ9,000書体の欧文・多言語フォントを年間定額で利用することができます。

そして、フォント以外にも外国語を扱う上で気をつけたいのが「伝わる言葉の使い方」。
フォントワークスの欧文書体ディレクターとして活躍しているヨアヒム・ミュラー゠ランセイによると、日本で英語表記を見たときに「おや?」と違和感を感じることがあるといいます。

そこで、これから数回に分けて、ヨアヒムさん協力のもと「英語表記でありがちな間違い」とその解決法をご紹介していきたいと思います。

〈書体ディレクター プロフィール〉
Joachim Müller-Lancé(ヨアヒム・ミュラー゠ランセイ)
1961年ドイツ出身。スイスのバーゼル・スクール・オブ・デザインでグラフィックデザインを学び、日本を含める各国のタイポグラフィコンペティションで優勝するなど高い評価を受ける。
2018年にはソウルのフォントメーカーYOON Designの欧文のデザインディレクターとして活躍。2020年から、フォントワークス社に加わり、現職の欧文書体の書体ディレクターに就任。


第1回:英語だけで伝わらないと意味がない!

英語は表記されているものの、あくまでもデザイン上の装飾として使用されているパターンがあります。
例えば下の画像のように、「information」と英語で書いてあるのに、何についての情報が得られるかが英語で書かれていない案内板。

間違い例

Informationの後に目的語がきておらず、お知らせの内容を日本語でしか表記していません。

これは、「information」がそもそも情報を伝えたいという意図ではなく、装飾する意図で記載されていると言えます。情報を伝えるためには、一例ですが「information」という言葉を省いて「Last trains of the day」などと記載する必要があります。

正しく伝わる例


また、「Get」や「Let's」といった言葉の場合、単語の役割自体が補助的なものなので、その単語の後には、「なにを」「どうする」といった動詞や目的語がなければ意味や意図が伝わらなくなってしまいます。

間違い例

このように、英語部分だけを読んだ場合でも意味が通じるように、情報を記載しておきましょう。

正しく伝わる例

上で取り上げたのはとても初歩的な例ですが、日本語で意味を読み取っている私たちは「英語で読んだときにちゃんと伝わるかどうか」や「英語の使い方の不自然さ」を見落としてしまうことがあります。
その案内板の中で英語の箇所だけを取り出したときに、しっかり意味や意図が伝わるようになっているでしょうか? 気をつけてチェックするようにしたいものです。

※ここでご紹介している画像は例を分かりやすくお伝えするためにご用意した、架空の事例です。

※本記事は2020年、Fontworks「もじがたり」に掲載された「英語タイポグラフィ講座 初級編」を再編集してお届けしています。(構成:フォントワークスnote編集部/協力:アドビ社)


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